とある冬の情景

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12月の石油ストーブの匂いと、

図書館の本棚は、パラレルワールドの出入り口

おかっぱで、だぼだぼのブレザーを着ていた
学生時代、窓際に座って、足をぶらぶらさせながら

学校をひょいと抜け出すことに
憧れがあったから、

サボる勇気はなかったけど、

放課後、ちょっとだけ、逃避行

ほこりをかぶった一冊の本の
天から小口まで
きらきらゴールドが施されていて、頁をめくれば、
何処にでも飛んでゆけた

魔法が使えるようになりたい
秀でた才能が欲しい
目の前の恋を叶えるため、
あの人だけの
スペシャルになりたい、とか

あの頃は、あの頃で、いろんな願望のデパートだったけど

本当に満たしたいのは、
たましいの命を司る根っこの部分であり、

ヒヤシンスの球根が水をぐんぐん吸い上げていくように、

彩りあふれる言葉、イメージから発せられる
潤いを渇望していたのだ

それでも、

いま、ほんの少し息苦しさを感じるのは、
何故だろうと、空を仰ぐ…

運命を変えるには、バンジージャンプを飛ぶのと
同等なぐらいの勇気のいる挑戦が必要、
と聞いたとき、

世間的でいう大人の私は、
髪色を変えることを思いついたけれど、

冬の日差しは、いっしゅんにして
ヴァージンヘアーを亜麻色に染めたとき、

ふんわり光を吸い込む、
ミルク色のセーターに身を包まれながら、
まどろんで、気が抜けて、ホッとして

根を張った足元から、全身に広がる
幸福の血流を感じて、


展開が早くてついてゆけないストーリーに巻き込まれるより、

だらーんとして、ぼーっとするほうが
落ち着くし、なんだかんだで幸せで、

もうちょっと、このまま、
大いなる今という名の懐に抱かれて

生まれたての赤ちゃんのように、
守られていたい

☆ピンク☆

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PS

母が、
バッグに忍ばせていたチョコレートを
恵んでくれたり、

帰り寒くないようにと
手袋を貸してくれたりと、

気持ちがホッ…と柔らかくなることが
つづいてゆく

生まれてから、今に至るまで
変わることのない愛が頭上から降り注ぎ、

心臓のポンプは一定のリズムで
途絶えることなく、血液を供給してくれる

その奇跡に気づいた瞬間、

足裏の大地の温度までも、
ぽかぽか伝わってくるね
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by sakurano-pink | 2017-12-19 17:27 | ピンク絵日記

↑小沢幸生さまが描いて下さった最高に素晴らしい桜野ピンクちゃんです。


by sakurano-pink